2014年6月19日
昔
死を司る黒い象がいた
象は夜にしか姿を
現さず
夜闇を纏い
死者の魂を
あちらの世界へと運んだ
その2本の牙には
不死の力が宿り
猟人は度々象を狙ったが
その度に病におかされた
象は今でも
死を弔い
魂をあちらに運ぶ
心臓の音が聞こえそうなくらい
静かな夜に
骨のように白い
2本の牙を空中にゆらして
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