2014年11月9日
りんごさんは
枝にぶらさがって
ゆらゆら
世界を眺めるのが
好きでした
万有引力さえなければ
農家のりんごでなければ
枝と別れずにすんだかもしれない
ウィリアム・テルに
華麗に打ち抜かれて
食べられることさえなかった
歴史的りんごのことさえ
想いました
しかし
りんごさんは
知っていました
後悔からは何も生まれないと
せめて
この地に種を残すことさえ
叶わないなら
美味しく召し上がって頂こうと
笑いさえしました
農家のりんごに生まれた
宿命のままに
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