2014年11月25日
りんごは
当たり前のように
人に食べられて
自分のささやかな生涯に
幕を下ろすのだと
信じて疑わなかった
しかしながらどうだろう
いま
自分が位置しているのは
明らかにまな板の上ではなく
子供の頭上である
新しい遊びだろうか
いや
そうに違いない
きっと
自分はこの子供の
オヤツとして
生涯を終えるのだ
と
にわかに確信した刹那
凄まじい衝撃が
りんごを
貫いた
状況を理解するまでに
そう長い時間は必要なかった
動物的直感
いや
植物的直感である
こうして
子供とその親は
無事命をつなぎ
りんごは
命を落とした
歴史的りんごとして
誇らしい最後であった
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