指を差し出すと、ギュッと握ってくれるちいさな手。
日に日に大きくなっていく、ちいさな手。
この小さな手が、なによりも大きな力をくれる。
なによりも強く、背中を押してくれる。
命は不思議だ。
一年前にはまだ影も形もなかった命が、目の前で指を握っている。
ちょうど二十年後の今頃には成人式を迎えていると思うと不思議で仕方ない。
まったく想像がつかないけれどその時はいつかやってくる。おそらく。
まったく想像もつかなかったことが、今を明るく照らしてくれている。
指を差し出すと、ギュッと握ってくれるちいさな手。
ぼくにはこの小さな手を愛し守る責任がある。
いつでもこの子の力になりたいと思う。
今度はぼくが背中を押してあげたいと思う。